開店時刻の17時に、店の電話が鳴った。
ふと見ると、ママが、受話器を持ったままフリーズしてる・・・(笑)
店主「どうした?」
ママ「今日35名様のご予約、無理だよね?」
えっ、35名の当日予約?その時、去年のこの時季の出来事を思い出した。
店主、すかさず電話を替わった。
「お電話替わりました。」
「あっ、今日なんですけど、6時半から35人、
飲み放題付のコースでお願いしたいんですけど・・・。」
と少々あどけない声。
「すみません、コースのご予約は3日前までなんですよ。」
「あっ、そうなんですか・・・。」と悲しそうな声。
「ねえ、君達、ひょっとして、浦高サッカー部?」
「あっ、はい、そうです。」と急に声が明るくなり、
「去年も33名当日予約だったんだよなぁ、
今からじゃ、35人なんてどこも入れてくれないよ。
よっしゃ、どうにかしてあげるから、おいで、おいで。
浦高通りで商売させてもらってるからには、どうにかしてあげるから。」
「ほんとですか!ありがとうございます!」
県立浦和高校サッカー部の3年生最後の試合の後、納会を開くのが伝統。
ホスピタリティーとバイタリティーが自慢の店主、
どうにかしてやりたい一心で、「浦高サッカー部、35名、これから入れるぞ!」
ママと、元気印のスタッフはるちゃんが、「はい!」と一言、
テーブルセッティングと、白米25合の炊飯と、
ソフトドリンクの大量買い出しに黙々と動き出す。
「頼れるスタッフを持って幸せだな。」と感傷に浸る間もなく、
店主は在庫の確認と、バックヤードから5kgほどの肉の塊を持ち出して、
しちりん炙ABU史上最速、1時間30分で35名分のコース料理の仕込み完了。
「やればできるもんだ!」と本人もちょっとびっくり。
そして、いよいよご来店。
「すみません、3人増えて38人なんですけど・・・」
「なぬ???」
即、3名分の食材を追加。よし、出来た。ホッ(*”▽”)
そして始まった伝統の納会、
無礼講タイムでは、好きな先輩と、ここが嫌だという先輩を、後輩が暴露。
大盛り上がりで楽しそうでした。
最後の試合は負けたらしいけど、これからもサッカーと勉強と、頑張れ浦高サッカー部!
でも最後に一言。浦高サッカー部のみんな、将来日本を背負って立つ人材なんだから、
社会の仕組みを少しは知っておこう。
前もってメニューを構成して、それに見合った食材を仕入れて、それを仕込んで、
当日、お迎えする準備をするのがこの業界。
1時間半前の35名+3名の予約はどうかと・・・(笑)
来年はちゃんと予約してね。
閉店後、落ち着いて冷蔵庫を見ると・・・、
まるで雄々しいバッファローの群れが通り過ぎた草原のように、何も残っていない!
まっ、いいか、また仕込めばいいんだから・・・。
てなわけで、本日、市場が休み、仕入れできないので
食材なくなり次第閉店させていただくかもしれません。
お早めにご来店ください。
一同、お待ち申し上げております。
そんなこんなで、10月31日は定休日、
11月1日は仕込みのため臨時休業させていただきます。
どうかご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。